ごきげんよう。はるカイロさんです。
時は2022年6月29日(水)、京都大学ポケモンサークルの企画で三色杯なるものが開催されました。
とっても面白いルールだと思ったので、これについてつらつら述べていきます。
ルール
シリーズ9。
各自3タイプ選んで、それぞれの単タイプ・複合タイプの計6体でパーティを組む。
そのタイプのポケモンが剣盾に存在する場合は必ずパーティに入れなければならず、逆に存在しない場合はその枠を開けてパーティを組む。
タイプの判定は選出画面でのタイプを参照する。
要約すると以上のようになります。
3タイプを組み合わせると複合も含めて丁度6通りできる、ということにスポットを当てた面白いルールですね。
考察
環境考察
まず第一にこのルールの性質を踏まえた特徴で、「 同じタイプのポケモンが3体パーティに入る」ということが挙げられます(6体そろえる場合)。
これから読み解けるのは「一貫性」ができるということです。無効タイプを絡めない場合、どうしてもタイプ受けが難しくなると考えられます。もちろん逆に言うと攻めの幅も狭くなるのですが、単純にタイプ数の違いを考えるとまだ影響は少ないほうでしょう。そのため受けは環境的に厳しく、攻めの方が強いと考えました。
また、タイプが一致することから天候やフィールドを活かした戦い方もしやすいと思われます。具体的に挙げてみると、カバドリ、コタリザ、トノグドラは強力なタッグながら自然にパーティに組み込みやすいですね。
このことから、今大会では「上から通りのいい高火力技で殴るパーティ」が強いのではないかと予想しました。
次に具体的なタイプごとの優劣を確かめていきます。
採用者が多そうなタイプとして考えていたのは、じめん・ひこう・ゴースト・はがね・ほのお・みず・でんき・こおり・ドラゴン です。強いと考える要因は様々ですが、大きく分けて5つあります。
1. タイプ一致技の通りがいい。→霊氷竜
2. 単タイプに強力なものがいる。→地鋼炎水電氷竜
3. 複合タイプに強力なものがいる。→地飛霊鋼水電
4. 耐性が優秀。→地飛霊鋼水竜
5. 天候・フィールドが強力。→地炎水電氷
また、反対に採用者が少なそうなタイプは、ノーマル・むし・くさ・エスパー・かくとう・どく・いわ・あく・フェアリー が考えられました。多くはなさそうと考える要因は3つあります。
1. 弱点が多い。→草岩
2. 単タイプが微妙。→虫格毒岩妖
3. 複合タイプが微妙。→ノ格毒超悪
まあ今回は噛み合ってなかったということでお祈り申し上げましょう。
ということで相手が使うであろうタイプは、地飛霊鋼炎水電氷竜の9つまで大まかに絞りました。
では今度は逆に強そうなポケモンからタイプの組み合わせを考えて環境を見ていこうと思います。
でんき・じめん・ひこう
みず・こおり・じめん
ゴースト・ドラゴン・みず
はがね・でんき・ひこう
はがね・じめん・ひこう
ほのお・はがね・ひこう
……などが挙げられるでしょうか。多くなりすぎても億劫なので、一先ずこれらの組み合わせで出てくるポケモンのうち強力な子たちを簡潔に見ていきましょう。
電→レジエレキ
地→カバルドン
飛→トルネロス
水→スイクン、ミロカロス、ニョロトノ、ナマコブシ
氷→ブリザポス、オニゴーリ
霊→サニーゴG、レイスポス、ポットデス
竜→レジドラゴ
鋼→レジスチル
炎→エースバーン、コータス
電飛→サンダー、ボルトロス
地飛→ランドロス
電地→マッギョ(原種)
水氷→ラプラス
氷地→マンムー
水地→ガマゲロゲ
霊竜→ドラパルト
霊水→ブルンゲル
竜水→ウオノラゴン、キングドラ
鋼電→ジバコイル
鋼飛→テッカグヤ
鋼地→ドリュウズ
炎鋼→ヒードラン
炎飛→リザードン
このように、単体性能が高かったり補助の役回りに長けていたりと優秀なポケモンがいろいろ出てきます。パーティを組み立てていく上ではこのあたりの相手を想定することになります。
ポケモン選択考察
上記の環境考察から、でんき+こおりの技範囲から殴れば多くの相手を殲滅できそうと考えたので、この2タイプをベースに始めて行きました。
電氷→パッチルドン
電→レジエレキ
氷→ブリザポス
の3体が強力だと思ったので、一旦ここを確定させてからもう1タイプを決めに行きました。
候補としては、トリックルーム展開ができそうなエスパー、マンムーに強い水ロトムやラプラスを採用できるみず、アロキュウで霰補助ができそうなフェアリーが挙げられます。
ポケモンはそれぞれ、
超→エーフィ、ゴチルゼル
超電→ライチュウA
超氷→バリコオル
(複合が弱い)
水→ニョロトノ、ミロカロス、スイクン
水電→ウォッシュロトム、ランターン
水氷→ラプラス
(霰と雨で競合する、ダイマ枠のアンチシナジー)
妖→ニンフィア、マホイップ、ピクシー、キュワワー
妖電→カプ・コケコ
妖氷→キュウコンA
(単タイプが微妙)
などの候補がありましたが、タイプ別に調べていたところ、それなりに耐久があってトリックルームを使えるフェアリータイプのフレフワンを偶然発見したので、これを決め手に「こおり・フェアリー・でんき」の3タイプを前向きに考えていきました。
この場合、多そうと予想していたドリュウズやエースバーンが重くなってしまうのですが、
~~~~~
私「ドリュウズ強いと思うんよな」
F氏「いやーどうかな? 水タイプ多いと思うから結構厳しいよ」
~~~~~
私「エースバーンってどれぐらい使う人いるんでしょうね?」
O氏「京ポケの人間はみんな逆張りだから、たぶん誰も使わないと思うな」
~~~~~
等の助言をいただいたので、これでタイプを確定させパーティを作っていきました。
ではこれから私が実際に使ったパーティについての話をしていきます。
実戦
私の使ったパーティ
タイプ: こおり・フェアリー・でんき
ブリザポス
ブリザポス@ラムのみ(しろのいななき)
つららおとし / インファイト / 10まんばりき / つるぎのまい
性格: ゆうかん
実数値: 207-216-150-85-131-31
努力値: 252-252-0-0-4-0
HAぶっぱ
最遅S1
儂の愛馬だ。
基本的にはトリックルームから上手いことやるか、壁を張って剣舞なりして上手いことやるか、素の状態で上手いことやるかの運用になる。
持ち物はラムのみで、カバルドンの欠伸やレイスポスの鬼火の対策として採用した。
壁→ブリザポスのルートは実際に使うことはほとんどなく、専らトリル展開かそのまま頑張るかになった。トリルを張れてしまえば暴れ馬と化すので強かった。
パッチルドン
パッチルドン@いのちのたま(ゆきかき)
でんげきくちばし / つららおとし / じだんだ / フリーズドライ
性格: さみしがり
実数値: 165-167-99-111-100-107
努力値: 0-252-0-4-0-252
ASぶっぱ
霰下最速ドラパルト抜き
雪かきアタッカー。
アロキュウの雪降らし、もしくは自身のダイアイスで霰を振らし、上から技を撃っていく形になる。
能力的には格別高い攻撃力を持っているわけではないが、電気と氷(あとフリドラ)の攻撃で、広い範囲の相手に等倍以上のダメージを押し付けられるところが強力だ。特に本ルールで増えると予想していた、水・飛行・地面・ドラゴンに対して抜群を狙えるのが大きい。
地団太はジバコイルやパッチルドンミラー、ドリュウズを意識したものだが、ドリュウズ入りに用意していた解答は地団太が必要無いので、はっきり言って無駄だった。より柔軟な動きができるダイウォール媒体の方が強かったと思われる。候補としては、あられ・こらえるが挙げられる。
フリーズドライは技そのものの効果も優秀だが、ダイアイスにしたときに特殊技として打てることも評価できる。具体的な仮想敵はカバルドンで、フリドラ媒体ダイアイスのH252D4のカバルドンに対するダメージが213~252(99 ~ 117.2%)と、87.5%の乱数で落とすことが可能になっている。しかし、基本的にはダイマックス運用を想定していたので、吹雪を採用する方がよかったかもしれない。
あとさみしがりにしたことで丁度ダウンロード対策ができているのが美しい。
キュウコン(アローラのすがた)
オーロラベール / ふぶき / フリーズドライ / ぜったいれいど
性格: おくびょう
実数値: 151-64-95-131-120-177
努力値: 20-0-0-236-0-252
ちきゅうなげ3回耐え
残りCS
霰要因兼壁要因。
先発で出して霰と壁を展開するのは勿論強力だが、すいすいゲロゲやすなかきノラゴンに展開を許してしまった場合に後ろから投げてフリドラで破壊する動きができたのも優秀である。なお本番ではない。
嫌な受けポケなどの対策に絶対零度を仕込んでいるので、危険な状況からワンちゃんを掴める点でも偉い。
実際に選出することは少なかったが、選出誘導性能が非常に高く、初手で天候変化ポケモンを呼びやすかったため、活躍の度合いとしては大きかったと考えている。
フレフワン
フレフワン@リリバのみ(アロマベール)
トリックルーム / アンコール / ミストバースト / ねがいごと
性格: のんき
実数値: 208-×-136-119-110-30
努力値: 252-0-252-0-4-0
HBぶっぱ
最遅S0
トリックルーム要因。
基本的にはブリザポスと同時選出し、「トリックルーム→ミストバースト」でブケパロス精製機械としての運用になる。
格別意識したのはドリュウズで、珠ダイスチルのダメージはリリバ込みで144~172(69.2 ~ 82.6%)と、砂ダメやステロ込みでも割と耐えられるようになっている。
特性はアロマベールで、ちょうはつ・アンコールなどを無効にする強力な特性である。
このように、そこそこの耐久と挑発無効で確実にトリルを遂行して裏に繋げられるという優秀なポケモンなのだ。あっ普通の対戦で使うならブリムオンの方がいいです。
実戦では急所や高乱数で破壊されたのでとても悲しいです。「それ本当は耐えてたからなあ!?」なんて言ってしまうのは不躾なので控えましょう……
カプ・コケコ
カプ・コケコ@グランドコート(エレキメイカー)
ワイルドボルト / ブレイブバード / アイアンヘッド / とんぼがえり
性格: ようき
実数値: 145-167-105-×-96-200
努力値: 0-252-0-0-4-252
最速ASぶっぱ
エレキフィールド要因。
基本的には裏に後述するレジエレキを置く。
持ち物のグランドコートは、エレキフィールドのターン数を3ターン増加させられる効果を持つ。
レジエレキと選出することから物理型にした。そこまでは間違っていなかったと思うが、アイヘあたりを削って挑発を入れたほうが絶対によかった。
レジエレキ
レジエレキ@こだわりメガネ(トランジスタ)
ライジングボルト / はかいこうせん / ボルトチェンジ / いやなおと
性格: ひかえめ
実数値: 155-×-70-167-71-252
努力値: 0-0-0-252-4-252
CSぶっぱ
破壊神。
カプ・コケコの後ろから投げて、ライジングボルトで全てを破壊する。
特化眼鏡EFライボの火力指数はなんと驚愕の102579! ……逆にわかりづらい。カイオーガの特化雷の火力指数が24420なので、これの4回分より強いってことでしょうか?やば。
何はともあれ、決まれば大変凄まじい火力が出る。
今回のルールの特色的にも、レジエレキ対策に地面タイプをひとつまみ、的なことができないため、刺さるパーティにはとことん刺さり、刺さらないパーティにはとことん刺さらない。そのため出すか出さないかを決めやすいというメリットも持つ。
嫌な音はウォール媒体だが、これをそのまま使うことはまあなかった。
選出
基本1→++
基本2→++
電気の通りヨシ!→++(or)
水地面→後ろにを置きたいかも
嫌なポケモン
終わってから気づきました。こいつどうしよ。
結果
予選2-2で敗退。
無念。
感想
悔しいです。
ポケモン自体はそれなりによかったと思っているだけに、活躍させてあげられなかったのが本当に悲しい。
技の改善点としては、カプ・コケコのアイアンヘッドを挑発にする、パッチルドンのフリーズドライを吹雪に、地団太を堪えるにする、が考えられます。またプレイングとしても、ゲロゲやノラゴン相手には後ろからキュウコンを投げて天候を取り直し、襷を盾にフリドラで突破するといったことを積極的にやるべきだったと思います。
まだまだ精進ですね。
終わりに
予選落ちしたにも拘らず記事を書いてしまいました……
考察にもかなり力を入れて自慢のメンバーを挑んだだけあり、やっぱり勝ちたかったですね。
このルールは考察していて本当に面白かったです。第二回希望。
お付き合いいただきありがとうございました。